S&P500ETF(SPY, IVV, VOO)でアメリカ主要企業に投資

髭犬_S&P500

難なアメリカ株長期投資商品は,代表的な株価指数S&P500に連動したドル建ての上場投資信託(ETF)です.

この記事作成後に,より投資初心者に適した信託報酬率の低いS&P500投資信託が開始されました.まずはそちらを確認いただければと思います.もちろんこの記事で解説するETFも素晴らしい投資商品です.

無難なアメリカ株長期積立投資は,代表的な株価指数S&P500に連動した投資信託を積立購入することです.

無難なアメリカ株投資とは

米国経済は,過去30年で株価指標を約8倍に増大させました.これは年率約7%の成長に相当します.

上記記事にて,S&P500指数のチャートから,アメリカ株は長期的視点に立てば,年5%以上の高成長を続けていることを示しました.実際には,分配金も含めて8~9%といったところです.

無難なアメリカ株投資とは,このアメリカの平均的なパフォーマンスを体現するS&P500に連動した上場投資信託(ETF)を購入することです.具体的に説明していきましょう.

 S&P500指数に連動したETF

S&P500とは

アメリカ主要500社の株価に基づいて算出される指数です(公式サイト).市場の80%をカバーしており,まさにアメリカを代表する株価指数です.寄与率上位10社だけ示すと,下記の表の通りです(2017年8月31日時点).

銘柄ティッカーコードセクター
Apple Inc.AAPLハイテク
Microsoft CorpMSFTハイテク
Facebook Inc AFBハイテク
Amazon.com IncAMZN一般消費財
Johnson & JohnsonJNJヘルスケア
Berkshire Hathaway BBRK.B金融
Exxon Mobil CorpXOMエネルギー
JP Morgan Chase & CoJPM金融
Alphabet Inc AGOOGLハイテク
Alphabet Inc CGOOGハイテク

日本でもおなじみの企業が多いのではないでしょうか.アップル,マイクロソフト,アマゾン,フェイスブック,グーグル(アルファベット)は実際にサービスを利用している方もいるでしょう.エクソンモービルはアメリカ石油最大手で,日本ではガソリンスタンドのエッソですね.J&Jは,バンドエイドの商標を持っているメーカーです.バークシャーハサウェイは投資家として有名なウォーレンバフェットが率いる投資会社です.JPモルガンは銀行です.これらの超大規模企業を筆頭に,アメリカの市場は形成されています.

S&P500のセクターについては,下記の通りです.ハイテク,金融,ヘルスケアで50%を構成しています.これはアメリカのセクターといっても良いでしょう.

Breakdown

ETFとは

ETF(上場投資信託)とは,投資会社がある基準で選定した商品(投資信託)をあたかも個別株のように市場で取引できるようにした(上場)ものです.商品は個別株の組み合わせが定番ですが,金であったり,原油であったりあらゆるものが対象です.もちろんS&P500指数に連動したETFも存在しており,人気ETFとなっています.

投資会社に運用を任せているので,保有しているだけで経費が発生します.その経費は,一定額ではなく,ETF保有額×経費率という形で支払います.ただS&P500ETFは,規模が大きくスケールメリットによる経費削減が可能で,経費率は0.1%以下でほぼ無視できるでしょう.

代表的なS&P500指数のETF

具体例として,日本で購入可能なドル建てS&P500 ETFを比較すると下記の通りです(各種数値は記事作成時).

ティッカーコード運営会社時価総額(10億ドル)経費率(%)配当率(%)
SPYSPDR2460.091.87
IVVBlackRock1240.041.83
VOOVanguard710.041.84

SPY, IVV, VOOの順に登場した歴史があり,時価総額や経費率はそれを反映しています.つまり,SPYは先行して登場したので,規模が大きく流動性が高いです.ちなみに,SPYの時価総額はトヨタ自動車より大きいです.一方,IVVとVOOは,SPYに比べて規模では劣りますが,低経費率で勝負をかけています.

大切なことはS&P500指数に各ETFが連動しているかどうかですが,乖離はSPY, IVV, VOOいずれにおいても図のとおり見られません(わかりにくいですが4本すべて重なっています).すなわち,どれを選んでもS&P500に連動して資産形成できます.

S&P500

Google Financeで最新の状況を確認する

ちなみに,SPY, IVV, VOOのどれが良いかについては,あまり意味が無い議論です.時価総額は,一番小さなVOOであっても充分に大きく流動性が確保されています.経費率もどれも充分に小さいです.どれを選んでも大差ないでしょう.

なお,円建てで購入可能な国内ETFもあります.しかし,流動性に乏しくS&P500指数からの乖離があります.興味がある方は,1547(日興アセットマネージメント),1557(SPDR,SPYの日本上場版),1655(BLACKROCK,IVVの日本上場版)をお調べください.

以下では,さらにドル建てS&P500 ETFのメリットとデメリットを紹介します.

S&P500 ETFのメリット

個別株と比べて低リスク

500社に投資されているので,充分に分散されています.指数を構成している数社の株が急落しても影響はほとんどありません.

自動でリバランス

もし,S&P500指数構成銘柄に変更があった場合,投資会社が銘柄入れ替えを行ってくれます.ですので,基本的にほったらかしにできます.投資にかける時間を最小にできます.

必要な作業としては,買付と分配金分の再投資だけになります.分配金は年4回でます.

高い流動性と最安レベルの経費率

先に紹介したドル建てのS&P500 ETFはどの商品も人気であり,数多くあるETFの中でもトップクラスの規模と流動性を誇ります.そのため,売(Bid)と買(Ask)の差額(スプレッド)がほとんどありません.売りたいときにほぼ指数と一致した適正な値で売れて,買いたいときに適正な値で買えます.

スケールメリットが効くため,経費率はETFの中でも最小レベル(0.1%未満)です.特にVOOとIVVは競い合って経費率を下げています.

NISAの場合 購入時手数料無料

国内の証券会社でドル建てでアメリカ株投資が可能なものは,SBI証券,マネックス証券,楽天証券の3社です.それら3つの証券会社では,NISA口座に限定して,ETF買付手数料無料または全額キャッシュバックのサービスを行っています.

例えば,買い付け手数料無料なので,ETFを毎月の余剰資金から一単位ずつ購入することも可能です.ちなみに,現在のETFの価格は200ドル強です.

Google Finance でVOOの最新の価格を見る

NISA口座には株価が上昇する株を割り当てるべきですが,S&P500 ETFは上昇する可能性が高いのでまさにNISA向きです.手数料実質無料となるNISAを活用したいものです.

主要指数であるS&P500に連動

S&P500指数は,ダウ平均指数,ナスダック総合指数と肩を並べる主要なアメリカ株価指数です.そのため,ほとんどの株式情報サイトのトップページで確認できます.例えば,Google Financeのトップページは,以下の主要3指数が確認できます.

Finance top

投資に対して無知でいられる

本格的な株式投資では,厳選した個別株やETFを組み合わせて分散投資を行いますが,何をどうのような配分に設定するか(ポートフォリオ作成)を検討する必要があります.そのときに,各銘柄の成長性,割安性などを業績推移や各指数を調べる必要があります.

一方,S&P500 ETFはそのような面倒な調査とは無縁です.アメリカの平均的な成長に乗っかることで,無知でいられます.

S&P500 ETFのデメリット

優秀な個別株に比べて成長が遅すぎる

例えば,AmazonとS&P500の長期チャート(対数スケール)を比較してみましょう.

S&P500 amazon

Google Financeで最新の株価を比較

この20年でAmazonは,S&P500に対して100倍以上大きくアウトパフォームしています.これをどう思われるでしょうか?

個別株のリスクをとってAmazonに投資するか,S&P500のほったらかし投資で満足するかは投資家の裁量に任されています.

ドルで投資しなければいけない

購入のためにドルが必要です.分配金もドルで受け取ります.円をドルに替えるなど面倒な作業が必要です.ただ,ドルに替えた後は,ニュース等のS&P500指数だけ見ていれば良くなり,値動きが把握しやすいです.

積立不可

積み立てを行いたい場合,毎月購入を申し込む必要があります.積立運用には不向きかもしれません.指値購入などには適しています.

分配金が出てしまう

分配毎に以下のように課税され,さらに再投資作業が必要になりますので,長期投資で資産形成を考えるときにはデメリットです.

NISA口座の場合

分配金はアメリカで10%課税された後に振り込まれます.日本の課税分はありません.なんとか許容できるレベルでしょう.

ちなみに日本株の場合は,課税はありません.

特定口座の場合

分配金はアメリカでまず10%課税されます.そして,日本では,アメリカでの課税後の分配金に対してさらに約20%課税されて振り込まれます.なお特定口座で源泉徴収無しを選択しても源泉徴収されます.ただし,給与所得のある方は,確定申告でアメリカでの課税分はある程度取り戻せます.

ちなみに日本株の場合は,日本での約20%の課税分のみで済みます.

おわりに

S&P500ETFはアメリカの成長とともに資産を増やすことができ,分散も効いていることから無難な投資とされています.無難に資産形成される方にお勧めです.

なお,やや信託報酬は高いものの,より手間のかからないS&P500投資信託という選択もあります.

無難なアメリカ株長期積立投資は,代表的な株価指数S&P500に連動した投資信託を積立購入することです.

髭犬自身は,リスクの高い個別グロース株に投資しています.興味があればどうぞ.

長期的な成長が期待されるグロース株の髭犬的選定方法を紹介します.ただし,リスクが大きいのでお勧めしません.

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