資本主義の本質を理解して投資家にもなろう

髭犬_インベスター

資本主義において,資本投資は労働よりもリターンが大きいと歴史が証明しています.少しずつ投資家としても活動しましょう.

「21世紀の資本」の勧め

「21世紀の資本」とは

ピケティ

2013年フランス人経済学者のトマ・ピケティ氏が,「21世紀の資本論」と題した本を出版しました.英語版に続き,2015年には和訳版が日本でも出版され,世界中で大きく注目されています.

皆さんが資本家階級か労働者階級のどちらに所属しているか分かりませんが,髭犬と同じ労働者階級なら是非とも読んで,あやふやだった資本主義の実態を理解しましょう.

読むなら活字版よりも漫画版

「21世紀の資本論」を読む場合は,活字版よりも漫画版をお勧めします.活字版は約700ページで約5,000円とお高いですが,漫画版なら200ページ弱で約1,000円で読めます.活字版の翻訳者が漫画版の監修者となっているので,内容や主張等は一貫性があります.活字版で挫折した方も,漫画版ならきっと最後まで読めるはず.ただ電子版が無いので,在庫切れが心配です.

漫画写真

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 まんがで分かるピケティの「21世紀の資本」

あらすじ

主人公月村ひかりは,低賃金労働者階級で将来への不安を抱えていた.しかし,あるとき,飼育していた文鳥のオフ会で,社会的に成功している資本家階級の人達と知り合うことになる.それがきっかけとなり,彼女は資本の大切さ,格差が生まれる仕組みを彼らから教えられる.そして,労働者階級にとどまるのではなく,資本家階級に少しでも近づくために何をすべきか真剣に考えるようになっていく・・・・・・

21世紀の資本としての章立は下記の通りです.非常に興味深い内容で,要点を押さえて分かりやすく説明されていたと感じました.

  1. なぜ「21世紀の資本」が注目されているのか?
  2. 先進国では経済成長率はもう上がらない?
  3. どのようにして資本は国に蓄積されていくのか?
  4. 人的資源の成長は格差の解消に役に立たない?
  5. 所得の格差もどんどん広がっている!
  6. r>gという歴史的現実を直視せよ
  7. 「世界的な資本税」で格差を抑制せよ!
  8. 「21世紀の資本」をどう読むべきか?

主人公ひかりについての目次は下記の通りです.絵も表紙通り綺麗で,話もしっかりしており漫画としての完成度が高いです.

  1. 貧乏OLひかり,「格差」を実感する
  2. ひかり,勢いで退職する
  3. ひかり,ハローワークで仕事を探す
  4. ひかり,恵からのお駄賃に驚く
  5. ひかり,時給が上がって喜ぶ
  6. ひかり,自分の可能性に気づく
  7. ひかり,事業計画に取り組む
  8. ひかり,成長の意味を語る

要点

長年の統計データーにもとづく歴史書

21世紀の資本は,200年以上のデーターがまとめられた歴史書であり,未来への示唆が含まれています.つまり根拠に乏しい経済理論でなく,歴史的事実が書かれています.ピケティはこの本のデーターをまとめるのに15年かかったそうです.

資本収益率 r >経済成長率 g

21世紀の資本において,最も重要な主張はこの不等式に集約されています.単なる理論ではありません,以下の図で示されるように歴史的事実です.将来においては歴史からの予測となります.なお,Piketty先生のウェブページから,この図を含む多くのデーターが閲覧できます.

r>g

ここで資本成長率 rとは,1年間に投下された資本で得られた収益(資本所得)がその資本の何%に当たるのかを指します.図中の黒点であり,おおよそ4~5%で安定しています.

経済成長率 gは,前年に比べて国の成長が何%上昇・下降したのかを表す指標です.図中の白抜き点で表されます.gは戦後の復興等で一時的に3%まで上昇することはあっても,成熟した先進国では1~1.5%に最終的に落ち着くと予想されています.

極論すると,労働者の給料のベア分 gは,資産運用の利率分 rを決して超えることはありません.つまり親の資産を受け継いで運用している資本家階級に,資産のないただの労働者階級はどんなに頑張っても追いつくことはできません.追いつけないだけではありません,格差は拡大し続けます.

幻想の格差抑制策

この埋まらない格差を縮める効果的な方法は,提案だけはされています.それは,全世界で同時に資本税を課すことです.資本を沢山持つ人から毎年税金を取れば良いのです.相続するときだけ税(相続税)が取られている現状から,毎年税を取るように変えていくことです.

しかし,資本税は資産把握の困難さもありますが,租税回避国(いわゆるTax haven)が1つでもあるとそこに逃げ込まれるため,現実的な解決策ではありません.

つまり格差抑制の特効薬はありません.

今日からあなたもインベスター

労働者階級から一歩踏み出す

労働者階級が,資本家階級との間にある溝を少しでも埋めるためには,資本を蓄え少しずつ投資するしかありません.投資で最低でも上記 r年率4~5%を目指しましょう.

定期預金や積み立て預金は投資には適しません.髭犬の親の世代は,定期預金や積み立て預金でもその年率4~5%を実現できたようです.しかし今は,預金利率は0.1%を下回り,なんと上記 g を下回ります.これでは格差は開くばかりです.別の投資先を探しましょう.

投資は,ふるさと納税,NISA,iDeCoがお勧め

貯蓄から投資へ,この流れは必然かもしれません.政府も,投資を推奨しており,税制上の優遇措置を受けられる「ふるさと納税」,「少額投資非課税制度(NISA)ならびにジュニアNISA」,「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の制度で後押しています.実際,それらは少額からでも始められる投資先として手頃で魅力的です.

ふるさと納税

ふるさと納税は,返礼品の存在でノーリスク投資として成立しています.他の2つに比べて投資額は年数万円からと小さく,証券口座も不要で最も敷居が低いです.うまく返礼品を選べば r = 約30%も可能です.詳しくは以下の記事を.

地方創生に寄与するという名目のふるさと納税は,2000円の手数料で数万円の返礼品が期待できるノーリスク投資です.

NISAで株式投資

投資と言えば株式投資でしょう.株式投資は元本が減るリスクがあり,多くの方に怖いという印象を持たれています.実際,初心者は短期的には失敗すると思います.しかし,長期的には経済は1%でも成長しており,それとは別にインフレもあるので,成功する可能性が高いでしょう.単純なゼロサムゲームとは異なります.余裕資金の範囲で行うなら検討の価値ありです.

その株式投資においてNISAは,国内株式の取得手数料無料,売却益,配当益が非課税と絶大なメリットがあります.ただし非課税枠と期間に制限があります.

ジュニアNISAは,さらに出金に制限がありますのでやや取っつきにくいです.NISA枠を使い切ったあとで検討すると良いと思います.

初心者の投資対象はアメリカ株をお勧めします.r = 5%以上を日本株より実現しやすいです.詳細は下記にて.

米国経済は,過去30年で株価指標を約8倍に増大させました.これは年率約7%の成長に相当します.

iDeCoで株式投資

若い労働者階級の方にメリットが大きい投資方法がiDeCoを利用することです.年金といいつつ,実態は長期(株式)投資非課税制度です.さらに毎月の掛け金が全額所得控除となり,所得税と住民税が減額されます.ただし投資商品が限定されています.

同じく初心者の投資対象は,アメリカ株を含んだ投資信託をお勧めします.iDeCoについては下記記事にて.

iDeCoの実態は,税制優遇された長期積立投資制度で,魅力的なアメリカ株にも投資できます.

その他

その他にも土地,債権等,投資対象は沢山あります.一気に起業して資本家階級になることも可能です.しかし,現実的には上記3つからスタートするのが税制上の優遇や取りかかりやすさを考えると良いと思います.

おわりに

資本主義は,資本家のためのシステムです.髭犬のような労働者階級の方は,まずこの事実を受け入れる必要があります.その後,どう行動するかで,将来が大きく変わることでしょう.

将来の資産形成について次は複利効果の記事をどうぞ.

収益の再投資で得られる複利の力は絶大です.資本主義社会では,30年で資本の3倍化が期待できます.

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